ウオルター・ビショップJR「スピーク・ロウ」



ジャズを聴きかじりはじめたころ
ナニを聴いていいもんやら、サッパリわからないので
愛読していたのが
「スイング・ジャーナル」誌でした。

時代の流れなのか
しばらく前に、廃刊してしまいましたけどね。

執筆している人の中で
一番ユニークなのが、寺島靖国さんでした。

この人は、吉祥寺でジャズ喫茶を経営されているのですが
今でもご健在で、ジャズの執筆活動をされております。

この人のスタンスは
「おれは、おれの好きなものしか認めねえ。
 いったい、それの、ナニが悪りいんだ?」
という感じであり、ここまで徹底していると
すがすがしいくらいなのであります。

そのころ全盛だった
デンキ楽器を使った「フュージョン」なんて
ボロカスだし
自分が嫌いなアルバムやミュージシャンなんて
ケチョンケチョンですからね。

そんな寺島さんが
珍しく絶賛して
長い文章の論評を寄稿していたアルバムが
ウオルター・ビショップ・ジュニアの
「スピーク・ロウ」です。

絶賛してるといっても
「平凡なピアニストに、
一日だけ神が乗り移って製作された。」
とか 
「ベースのジミー・ギャリソンに引っ張られて
凡庸なピアニストが、持てる才能の全てを引き出し
これ以後は、凡庸以下に成り下がった。」
とか 
いったい、ほめてるんだか?けなしてるんだか?
ってな感じではありましたけどね。

(いちおうは、チャーリー・パーカーとも
 共演したことがある人なんだからさ。)

そう言われると、氣になりますので
かなり前(20年くらいかな?)に購入しましたが
最初に聴いた感想は

「いったいぜんたい、これのナニがそんなにいいの?」
ってな感じでした。

同じピアノトリオでも
ビル・エバンスとか
オスカー・ピーターソンとか
チック・コリアなどなどは
一聴してシロートでもわかるテクニックや
華やかさがありますので
わかりやすいわけですが
「スピーク・ロウ」は
「超絶技巧があるわけでもなく
 淡々とスタンダードを弾いてるだけの
 ジミなピアノトリオアルバムだな。」
というのが、当時の素直な感想でした。

寺島氏が、論評にて
「このアルバムは、ナガして聴くものではない。
正面から向き合って、じっくりと聴くべきだ。」
とも言っておりましたので
それ以来、
たまーに引っ張り出して聴いておりました。

20年経って(遅まきながら)
ようやく、良さがわかりましたですよ。

一聴、シンプルではありますが、
逆にシンプルなので、飽きがくることなく
聴けば聴くほど、
じんわりと音が耳にしみこんでしてきます。

ベースのジミー・ギャリソンは
ジョン・コルトレーンと組む前だったようですが
前のめりで、ブンブンいわせてつっぱしって
その後を、ピアノとドラムが追っかけていくような感じです。

特に「マイルストーンズ」の、トバシっぷりは
かなりキモチいいのであります。

寺島氏は
「たまーに、氣合をこめて聴け。」
と書かれておりましたが
聴き終わったら、すぐにまた聴きたくなります。

そういう聴きかたしたら、ダメなんだよって
寺島氏に叱られそうですけどね。

良さがわかるのに、20年もかかったから
なおさら、今のところ、
一番好きなピアノトリオアルバムです。


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